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鶏卵情勢(令和6年2月)

生産動向

餌付け羽数

 令和5年12月の全国の餌付け羽数は9,030千羽(前年比105.6%)と、前年を上回る推移であった。東日本は97.4%と前年を下回ったが、西日本は117.3%と前年を大きく上回った。年間累計では、東、西日本共に前年を上回る着地となった。
 地域別に見ると北海道エリアで84.7%、北陸エリアで41.0%と大きく減少したが、東北エリアでは111.6%、関東エリアでは107.2%と前年を上回る結果となった。
エリア別餌付け羽数
当社推計全国飼養羽数

供給面

 供給面は、一部産地による生産調整の影響もあり、過剰在庫からは解消されつつある。2月1日時点の鶏卵の標準取引価格(日ごと)が、174円/kgと安定基準価格190円/kgを下回ったため、令和5年度成鶏更新・空舎延長事業が同日より発動となった。
 令和6年2月7日時点で採卵鶏の高病原性鳥インフルエンザ発生は7県7事例、65万羽の殺処分となっている。令和5年2月7日時点では約1247万羽が殺処分されていたため、前年比およそ5%にとどまっている。
 今後について、鳥インフルエンザによる需要・供給への影響は限定的であり、なおかつ生産復帰鶏群による生産回復も見込まれている状況ではあるが、減量調整の動き次第では産地在庫が減少傾向で進んでいく可能性がある。
エリア別鶏卵生産量

配合飼料関連動向

令和5年度第3四半期の飼料基金からの補てん金は、緊急補てん発動で1050円/トンとなった。
飼料:とうもろこしのシカゴ相場3月限は、2月1日現在447セント/buでの取引となった。
原油:先物相場3月限については、2月1日現在73.82ドル/バレルとなった。
海上運賃:11月の海上運賃は約56ドル/トンとなった。
為替:東京外国為替市場は、2月1日146円75銭/ドルでの取引となった。

消費動向

家計消費

 令和5年12月の鶏卵の一人当り家計消費量は951g(前年同月比100.8%)。令和3年との比較では、100.8%となっており、またコロナ禍前の令和元年比では96.4%であった。昨シーズンと比べて鳥インフルエンザの発生が限定的であり、鶏卵相場が前年を下回ったことも、13か月ぶりの前年比越えに寄与していると考えられる。総務省が発表した「2023年の家計調査」によると、卵は名目増減率が26.5%増、物価水準の影響を除外した実質増減率が1.7%減という結果であった。年間で見ると、生産コストの高止まり、昨シーズンの鳥インフルエンザ被害から価格上昇が進み、支出は増えた。しかし、購入数量は減少傾向となった。
 今後は、春節のインバウンドといった好材料からの需要回復に期待したい。
鶏卵の一人当り家計消費量
鶏卵の一人当り家計消費量

業務・加工動向

 令和5年12月の外食全体の売上は、前年比110.0%、令和元年比111.2%とどちらも110%越えで推移した。コロナ「5類」移行後初めての年末となり、忘年会やクリスマス、帰省といったイベント要素に加え、インバウンド需要の好調な動きもあり、客数も前年比105.3%と伸長した。12月の訪日外客数は、令和元年同月比108.2%となる273万人越えと新型コロナウイルス感染症拡大後で単月過去最多となるとともに、12月として過去最高を記録した。またパブ・居酒屋業態の売上は、4年ぶりにコロナによる行動制限のない忘年会シーズンとなり、前年比で118.2%、令和元年比で69.1%となった。大規模な宴会は少ないものの、中小規模宴会が増え、法人の忘年会も回復基調となった。加工筋は、総体的に荷動きの鈍化が続いている。
 今後の業務・加工筋は、インバウンド需要、大手ファストフードプロモーションといった要素から、徐々に堅調な荷動きになっていくと予測される。
外食産業業態別売上高

小売動向

 令和5年12月の全国コンビニエンスストアの売上高(既存店ベース)は1,0121億円(前年比104.2%)日本チェーンストア協会が発表した令和5年12月の売上高(既存店ベース)は、13,589億円(前年比101.7%)となり前年実績を上回った。食料品は102.4%、畜産品は98.3%となった。
 経済産業省が発表した商業動態統計によるとドラッグストアの令和5年11月の売上高は前年比109.0%となり、31か月連続での前年比越えとなった。
小売動向表

価格動向

 令和6年1月の東京相場の月間平均は、Mサイズ180円(前年比△100円、前月比△67円)。
 供給面において、滞貨玉の解消が進まず、1月の産地在庫は重たい状況が続いた。一部産地で生産調整が進んだものの、供給全体に対する大きな影響はみられなかった。
 需要面において、量販筋では、相場価格商品をはじめ、固定価格商品も一部売価変更により、発注数量は増加傾向にある。問屋筋では、節分の恵方巻き向けといった一時的な数量の盛り上がりもあったが、基本的には定期中心の取引となった。加工筋について、販売軟調での在庫過多な状態が続いており、在庫消化のため低調な荷動きであった。これらの状況から東京相場は1月中、保合の展開となり、異例な動きであった。また、2月6日には上伸の展開となった。
 今後について、供給面では春ごろまで生産復帰が継続する見込みである一方、成鶏更新・空車延長事業や、生産調整によって減産も進むため、産地在庫は徐々に適正に近づいていくと推測される。需要面では加工筋における需要回復の目途がたっていないものの、インバウンド需要や大手ファストフードチェーンのプロモーションなどから、堅調な荷動きが期待される。これらの状況より、今後の相場展開は強含みの展開と予想する。
JA全農たまご東京M基準値月間平均
JA全農たまご東京M基準値月間平均

輸出入動向

輸入動向

 令和5年12月の鶏卵類輸入通関実績は2,121トン(前年比93.2%)と9か月ぶりに前年を下回った。12月での殻付き卵の合計は90トンとなり8月から減少傾向にある。前年同月比では9,000%の推移であったが、これは、昨シーズンの鳥インフルエンザ被害に伴う本格的な海外調達の開始が令和5年3月であったためと考えられる。
鶏卵類輸入通関実績(6月累計)

輸出動向

 令和5年12月の殻付卵輸出実績は1,723トン(前年比100.6%、令和3年比95.2%)。1年ぶりの前年越えだが、前年は鳥インフルエンザの影響で輸出が制限されていたため、重量の伸びは見られていない。福島第一原発ALPS処理水の第4回放出は令和5年度内に行われる予定であり、マカオでは依然として周辺10都県産の鶏卵輸入の禁止が続いている。
殻付卵輸出実績

その他

鳥インフルエンザについて
①国内養鶏場での発生状況
令和6年2月6日時点で8県8事例の発生状況。
(採卵鶏で約65万羽)
②野鳥・環境での発生状況
令和6年2月6日時点で23都道県98事例で確認。
(北海道、青森県、宮城県、新潟県、茨城県、群馬県、東京都、千葉県、神奈川県、富山県、岐阜県、滋賀県、大阪府、鳥取県、岡山県、香川県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県)

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